深煎りコーヒーの魅力は、しっかりとしたコク、香ばしさ、そしてまろやかな甘み。 この味わいをもっと引き出したいなら――「ドーナツドリッパー」が断然おすすめです。

ドーナツドリッパーで抽出中の様子。ゆっくりと注がれたお湯がコーヒー粉をふっくらと膨らませている。

自家焙煎珈琲豆シロネコでは、10年以上にわたってこのドリッパーを愛用してきました。 見た目のかわいさに惹かれて使い始めたものの、その実力に驚き、今では「シロネコの深煎りといえばドーナツドリッパー」と言っても過言ではありません。

初心者にもおすすめの理由

「難しそう」「上級者向けの器具なんじゃ?」と思われるかもしれませんが、 ドーナツドリッパーはむしろ初心者にこそ使ってほしいドリッパーです。

理由は、抽出スピードがコントロールしやすいこと。 底の穴は大きいのに、お湯がすぐには落ちず、内部にしっかりとどまってくれる設計。 自然と湯と粉が接する時間が長くなり、誰でもじっくりと味を引き出せます。

その結果、しっかり濃いのに重たくないコーヒーに仕上がります。味が安定しやすく、毎日の一杯にもぴったりです。

ドーナツドリッパーとは?

ドリッパーにセットした粉の上から、ゆっくりとお湯を注ぎ始めている様子。

TORCH(トーチ)というブランドがつくった、陶器製の円筒形ドリッパー。 木製のドーナツ型ホルダーがついたデザインも特徴的で、見た目にも気分が上がる器具です。

開発者は元喫茶店オーナーの中林孝之さん。 「理想の深煎りコーヒーを淹れるため」に設計され、以下のような特徴があります。

深煎りをもっとおいしくする3つの構造

ドーナツドリッパーの上から見た構造。中央に大きな一つ穴があり、内側に段差のリブがついている。
  • 急角度の縦長ボディ:粉の層が厚くなり、コーヒー成分がしっかり抽出されます。
  • 大きな一つ穴で湯抜け良好:厚みのある粉の層からしっかり味を出しつつ、お湯がスムーズに抜け、雑味が出にくい構造です。
  • 内側の段々リブ構造:お湯の流れを一度内側に戻すように働き、粉全体にまんべんなくお湯が行き渡ります。

抽出前のポイント|お湯の温度は「85℃前後」がベスト

深煎りコーヒーをまろやかに抽出するには、85℃前後のお湯が理想です。 高温すぎると苦味や渋みが出やすくなります。

温度を下げる簡単な方法:

抽出後半。ドーナツドリッパーの下にコーヒーが落ちていく様子。落ち着いた液色が深煎りのコクを物語る。

・やかんで沸騰 → サーバーに一度移す(約93℃)

抽出が完了し、コーヒーがサーバーに溜まった状態。深煎りらしい色合いが美しく映っている。

・さらに別のサーバーに移す(約85℃)

抽出が終わり、サーバーを持って完成したコーヒーを見せる様子。まろやかな深煎りの色合いが伝わる。

・最後にポットに移して注湯

※事前にサーバーを温めておけば、抽出したコーヒーも冷めにくくなります。

粉の挽き目について|まずは“中細挽き”から

おすすめは「グラニュー糖〜上白糖」くらいの中細挽き。 粗すぎると薄く、細かすぎると苦味が出やすくなります。

迷ったら中細挽きからスタートして、好みに応じて微調整するのがおすすめです。 可能であれば、淹れる直前に挽くと香りもぐっと広がります。

抽出量と豆の目安

  • 1杯分(約200ml)…豆13g
  • 2杯分(約400ml)…豆23g
  • 3杯分(約600ml)…豆35g

シロネコおすすめの抽出レシピ(2杯分)

  • コーヒー豆:23g(中細挽き)
  • お湯の温度:85℃
  • 抽出量:400cc
  • 蒸らし時間:30秒
  • 抽出時間:2分半〜3分半

フィルターの折り方(カリタ103使用)

ドーナツドリッパーには、カリタ103やメリタ1×4などの台形ペーパーフィルターが適しています。

1.まず、フィルターの底部分(平らな部分)を外側に折ります。これによって、底がしっかりと開き、粉が安定しやすくなります。

2.次に、裏返して側面ののり付けされた部分も外側に山折りします。この折り方で、ドリッパーの内壁にぴったりと沿うようになります。裏側面のミシン部側を、底が4cmになるように、底を基準に約115°のラインで折ります

    このようにひと手間かけてフィルターを折ることで、抽出中のズレを防ぎ、お湯の流れも安定しやすくなります。仕上がりの味にも、じんわりと良い影響が出てきます。

    広げてドリッパーにセットします。

    抽出手順

    フィルターと粉をセット
    折ったフィルターをドリッパーにセットし、中細挽きの粉を23g入れます。
    表面を平らにならし、中心に軽くくぼみを作っておくと、お湯がなじみやすくなります。

    1投目 蒸らし(30秒)

    お湯を50mlほど注ぎ、粉全体にゆっくりとしみわたるようにします。
    注ぎ終えたら30秒そのまま待ちます。粉がふっくらと膨らみ、こうばしい香りが立ち始めます。


    2投目 抽出(本注ぎ)

    2投目もお湯をゆっくりと注ぎます。お湯は「針のように細く」注ぐのがポイント。粉を大きく動かさないよう、そっと丁寧に。

    ドリッパーからサーバーにコーヒーがツーっと細い糸のようにゆっくり落ちるくらいが目安です。

    3投目以降は残りのお湯を2〜3回に分けて、少し早めだけど丁寧に注いでいきます。ここで時間を掛けすぎてしまうと過抽出となり雑味が出てしまいます。
    注ぐときは、中心から外側へ広げ、また中心に戻るようなイメージで。

    2投目もお湯をゆっくりと注ぎます。お湯は「針のように細く」注ぐのがポイント。粉を大きく動かさないよう、そっと丁寧に。

    ドリッパーからサーバーにコーヒーがツーっと細い糸のようにゆっくり落ちるくらいが目安です。

    3投目以降は残りのお湯を2〜3回に分けて、少し早めだけど丁寧に注いでいきます。ここで時間を掛けすぎてしまうと過抽出となり雑味が出てしまいます。
    注ぐときは、中心から外側へ広げ、また中心に戻るようなイメージで。

    なお、ドーナツドリッパーは構造上、お湯がゆっくりとしか落ちないようになっています。
    そのため、注ぎが多少ラフになっても、お湯がしっかりと粉にとどまり、味がきちんと抽出されます。
    そこが初心者の方にもおすすめできるポイントでもあるんです!

    「ちょっと雑でも美味しくなる」のが、このドリッパーの頼もしさ。
    抽出スピードの遅さが、かえって味の安定につながります。



    抽出終了のタイミング

    全体で約400mlになったら、ドリッパーの中に少しお湯が残っていても外してOK。
    最後まで落としきらずに止めることで、雑味やえぐみが出にくくなります。


    完成

    最後に、サーバーの中のコーヒーをヘラやスプーンなどで軽くひと混ぜしてあげましょう。
    最初に抽出された濃い部分と、最後の薄い部分をなじませることで、味が均一になり、よりバランスのよい一杯に仕上がります。

    抽出時間の目安は2分半〜3分半ほど。
    仕上がったコーヒーは、深煎りらしい香ばしさと、まろやかな甘みがしっかりと感じられます。
    お気に入りのカップに注いで、ぜひゆっくりと味わってください。

    相性の良いシロネコの深煎り豆

    • クロネコブレンド:力強さとビターな余韻。まろやかな甘みが引き立ちます。
    • ケニアシンバ(販売終了間近):カシス感のある果実味と深煎りのコク。香りが鮮やかに立ちます。
    • シロネコブレンド(中深煎り):やさしい甘みと飲みやすさ。日常の一杯に。
    • 12周年ブレンド:2種の焙煎を重ねたミックスロースト。変化と奥行きのある一杯に。

    まとめ|深煎り×ドーナツドリッパー=まちがいない

    コーヒー初心者にも、本格派にも。 ドーナツドリッパーは誰でも「しっかり濃いのに重たくない」一杯を淹れられます。

    まずはお気に入りの豆で、ゆっくり丁寧に淹れてみてください。

    「シロネコの深煎り × ドーナツドリッパー」
    まちがいない組み合わせです。

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